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2011年7月19日に開発中止が発表されたニンテンドー3DS用「ロックマンDASH3」。熱狂的なファンが開発再開を願ってはじめた「100,000 Strong for Bringing Back Mega Man Legends 3」キャンペーンが話題となっていましたが、米Kotakuがこの件についてカプコンに問い合わせたところ、「開発再開予定なし」との公式見解を示したそうです。
詳細は続きからどうぞ。

(つづき)
1987年にカプコンから発売されたファミコン版「ロックマン」は、軽快なサウンドや見た目のライト感とは裏腹に、どんな時もトゲに触った瞬間ティウンティウン(死ぬ)するなど、当時としては非常に難易度が高いタイトルでした。しかし、よく練り込まれた奥深いシステムや巧みなスコア設計などから多くのファンを獲得、海外でも高い評価を得てカプコンの名を世に知らしめた、カプコンにとって重要なタイトルです。
それから10年、1997年にPlayStation用にリリースされた「ロックマンDASH」は、10周年を記念して開発されたタイトル。当時先端だった3D表現のアクションゲームとしてはもちろん、RPG的要素で独特な世界観を楽しむことが出来ることから熱狂的なファンが生まれました。
そして、ロックマンDASH3は開発当初からユーザーの意見を全面的に取り入れるということで、公式コミュニティでは日夜開発者とユーザーの間で様々なアイデアが討論されていました。
しかし、このプロジェクトはもともとカプコン社内的に風向きが怪しかったようです。開発ブログの2月16日のポスト「覚悟表明」には、「2月22日の会社の会議に、DASH3の本制作承認ってやつを獲りに行くぜ」と書かれていました。そして、2月25日のポスト「本制作承認会議、結果は・・・」で「試作期間の延長」が伝えられ、以後この手の話題については触れられていませんでした。結局、5月に予定されていた有料版体験版配布は延期、そして遂に公開されることなく開発中止が発表されたのです。

しかし、熱狂的なファンたちはこのままでは諦めませんでした。先日お伝えしたように、ファンたちは「100,000 Strong for Bringing Back Mega Man Legends 3」というサイトを立ち上げ、Facebookページには、今日の段階で3万8千人以上「いいね」され、Twitterアカウントのフォローも千人を超えています。
こうした声に対し、カプコンのブライアン・ケルトナー氏はこれらファンの動きを認識した上で、「『ロックマン DASH 3』の開発は公式に中止となっており、開発を再開する予定はありません」と答えたそうです。Kotaku Japanは中止発表時のケルトナー氏の発言に触れています。要するに「ゲーム開発現場では、普段は表に出ないが、水面下で生まれては消えゆく数多くのプロジェクトが存在する。今回はそれが表に出ただけ」というコトなのでしょうが、ならば何故最初からユーザーを関与させ、ゲーム開発において最も残酷な「中止」という刹那に立ち合わせたのか、という疑問が残ります。
確かに、現実的に言ってしまえば「10万人の署名を集める」といって現段階で4万人に届かない状況などを見れば、カプコンの判断も正しかったと言わざるを得ません。しかし、どういう経緯かは知りませんが、最終的に「中止」になり得るプロジェクトにユーザーを巻き込んだ事実は、どうなのでしょうか。子供の頃にロックマン(Mega man)をプレイした大人たち、そして近年のロックマンシリーズを楽しんでいる若者たちにとって、「ロックマンシリーズの開発に関与出来る」というのは夢のような話だったと思います。開発現場では常に起き得ることではありますが、ユーザーのそうした「夢」を打ち砕いておきながら社内と同じ理屈を振りかざすというのは、いささか乱暴すぎる気がします。
このタイトルについては、ただ「発売前の1タイトルが開発中止になった」だけでは済まない何かが起きる気がします。今後の動向が気になるところです・・・。
[Kotaku Japan] 『ロックマン DASH 3』の復活は無いことをカプコンが明言

2 thoughts on “カプコン公式見解「ロックマンDASH3は開発再開予定なし」”
  1. 何故ユーザーを関わらせたかというと、そりゃ稲船さんがこのタイトルがこのタイトルを会社に中止にされないように考えたからでしょう。
    「ユーザー巻き込んだら会社も体面を考えて中止にはしないだろ」という考え。

  2. >よっしーさん
    コメントありがとうございます。

    もちろん、それも1つあると思います。しかし、残念ながら上場企業は一個人の考えでは動いてはいけません。会社とは「法人」、つまり「法の上の人格」であり、1人の人間でなく、法人としての総意で動くものだからです。

    当時稲船さんがどれだけの力を持っていたとしても、結果的にそれを許容してしまったことは、カプコンとして責任を取らなくてはなりません。実際、稲船さんは退職されてしまいましたからね。

    そういう意味では、この辛らつな指摘を含め、批判を受けるのも一つの責任の取り方と言えばそうなのですが、これではファンは救われませんよね^^;。

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