まさに、私が子供の頃のマイコンゲーム!MAGES.のPC向けゲーム第一弾となる「シュタインズ・ゲート 8bit」は、まさに1980年代のマイコンゲームテイストでカオス!!!
では、実際にどの時代の技術をリスペクトしたものなのか、色々掘り下げて探ってみましょう。
詳細は続きからどうぞ!
(つづき)
──1980年代、PCがまだ「マイコン」と呼ばれていた時代。当時主流だったマイコンは、NECのPC-8801でした。本体だけで168,000円、専用ディスプレイと合わせると30万円くらいと大変高価なものでしたが、素晴らしく魅力的なゲームが創出され始めた良い時代でした。
1983~1984年は、T&Eソフトの「惑星メフィウス」、ハドソンの「デゼニランド」などに代表されるアドベンチャーゲームの当たり年。当時のユーザーたちは、(当時としては)高精細な映像とテキストに衝撃を受けたものです。その画像はこちら!
※↓こっちはデゼニワールドどすた・・・orz。ご指摘㌧です!
これでも当時は美しいと思っていたんですよ!販売メディアは、惑星メフィウスは何とカセットテープ!!「ピーーーーヒョロロロロロ」という音を再生するとマイコンにプログラムが読み込まれるというものでした。そのテープが3本組というカオスwww。
ちなみに、この頃のアドベンチャーゲームのグラフィックは、マイコンが一生懸命白黒でライン(線)を書き、その後色を塗っていくという工程をそのまま表示するというもの。1シーンの描画が終わるまで1~数分間待たされるというのが当たり前でした。
この描画速度と画像のクオリティは、1984年にエニックスから発売された「ザース」により大幅に改善されます。
こちらは、ライン・ペイントを独自のプログラムで実装することで高速描画を実現していました。
しかし、この年に発売された「ウィングマン」(エニックス)により、大きなターニングポイントを迎えました。それは、これまでの「線と塗りによる描画」から、圧縮された画像を読み込んで瞬時に画面に展開する「瞬間描画」というものです。これ以前の映像は、リアルタイムに線を描いて色を塗るため、反対にそれ以上の加工が出来ませんでしたが、圧縮されたグラフィックを展開する形に変化したことで、グラフィックツールで細部まで細かく描画したり、アンチエイリアス処理により線を滑らかにするなど、1枚のグラフィックとしての完成度をどこまでも追及出来るようになったため、「画質」が飛躍的に向上したのです。
そして、スクウェアから発売された「WILL -THE DEATH TRAP ][-」は、タイトル画面に描かれた少女アイシャがまばたきするなど、画面内の色々な個所でアニメーション表示されるようになりました。ちなみにこのタイトルのディレクターは、FFの生みの親で知られる坂口博信さんです。
・・・さて、こうして振り返ってみると、今回の「シュタインズ・ゲート 8bit」は、現在の世界線における1984-1985年頃、圧縮グラフィック展開でなく「線を描いて色を塗る」という技術が現代に蘇った作品と言えますね。絵の雰囲気的にはデゼニランドあたりの技術でやや画力が高いというテイストでしょうか。ちなみに音楽も、当時主流だったPC-8801mk2SRのFM音源(YM-2203、OPN。FM音源3音+PSG音源3音の計6重和音)を再現。こちらもストリーミングでなく、きちんとFM音源エミュレートしているとのことです。うーん、深い!!
ちなみに、ゲームは実際にキーボードから「talk」「open door」のように英語でコマンドを入力することで進んでいきます。まさにコレもデゼニランド時代そのもの!ちなみに、現在主流となっているコマンド選択方式のアドベンチャーゲームは、市販ソフトとしてはドラクエの堀井雄二さんがポートピア連続殺人事件オホーツクに消ゆで初めて実現しました。(※すいません、1985年のFC版と混乱していました。ご指摘㌧です!)
それにしても、坂口さんといい堀井さんといい、現在の代表的RPGの生みの親は、アドベンチャーゲームの歴史にも大きくその名を残しているんですね。さすがとしか言いようがありません。
・・・ということで、1984~5年当時を振り返りつつ、「シュタインズ・ゲート 8bit」について掘り下げてみました。あの時代を知る人はもちろん、若い人たちにも何かを感じられる作品に仕上がってくれるのではないかと感じております。それと、あくまで想像ですが、プレイ経過により世界線がズレて、8bitの映像が突然リアルになったりするとか、そういう驚きの演出とかが入っているかも知れません。
「シュタインズ・ゲート 8bit」は、5,040円(税込)で2011年10月28日発売予定。楽しみですね~!
───ところで、もしこのタイトルが当時リリースされていたとしたら、現在はどんな「現代(いま)」になっていたんでしょうねw。
記事中の画像、文章に一部誤りがありましたので修正しました。ご指摘下さった皆様、ありがとうございますm(_ _)m。
- デゼニランド画像 → デゼニワールド画像でした。正しい画像に修正しました。
- ウィングマン画像 → ウィングマン2画像でした。正しい画像に修正しました。
- 初のコマンド選択がポートピア → オホーツクでした。記事を修正しました。
ボロボロやん、我の記憶・・・orz
[ファミ通.com] MAGES.がPCブランド設立! 第1弾ソフトは『シュタインズ・ゲート 8bit』
デゼニランドの画像、デゼニワールドじゃん。
ポートピアはコマンド入力(だから開始早々「ふく ぬげ」ができる)
オホーツクに消ゆじゃないかと。
ポートピアはコマンド入力(だから開始直後に「ふく ぬげ」ができる)
コマンド選択はオホーツクに消ゆからじゃなかったかと。
通りすがりさん(匿名さん)、ご指摘ありがとうございます。
記事を修正しました^^。
瞬間画面表示ってデーモンズリングの方が先だったような。
>anonymous cowardさん
「瞬間描画」と言われるものとしては、確かにデーモンズリングが先ですね。
(一部高速ペイントルーチンも併用していた気がします)
他にも、圧縮展開を利用したタイトルがあったと記憶しています。
しかし、「ライン&ペイント」の域を完全に超えて1枚の「完成された絵」
(ライン+ペイント以上の品質)という意味では、このウィングマンの
存在感は一線を画していました。
ちなみに、当時圧縮展開といえば横方向だったのですが、PC-8801の
VRAMの構造上横方向は8bit×3プレーンで横8×縦1ドットだったことから、
横方向の圧縮は効率が悪いケースが多かったんです。それを、この
ウィングマンは縦方向圧縮を採用することで、他のソフト以上に高い
圧縮率を実現していました。
更に余談。ウィングマンはコピー防止のプロテクトがキツかったため
たまに圧縮データの読み込みに失敗してしまい、画面の一部が壊れる
という現象が起きていました。
>瞬間画面表示
システムソフトのミオのミステリーアドベンチャーが先でしょ。
>Jinさん
コメントありがとうございます!
いやはや、同年代(?)の方が多いのか、
今回はコメントが多くて嬉しいです。
ミオは私もリアルタイムにやりましたよ~。
システムソフト福岡と言えば、一般的には大戦略が有名ですが、
たいにゃんさんのSeeNaなど、秀作を排出していた名門です。
システムソフトが発刊していた「TECHKNOW88」は、
私の88プログラミングのバイブルでした!
さて、確かに瞬間描画の「技術」という意味では、
最初はウィングマンでないです。
# ちなみに、私も当時既に圧縮展開プログラムを開発し、
# 高校の文化祭で展示していました。
# それを含んだシステム開発の延長線上で、
# 浪人時代からゲーム業界に入ってしまったんですねー。
要するに、上のデーモンズリングのコメントに書いた通りで、
単純な技術的なブレイクスルーでなく、
1枚の絵としての書き込み度合いとして、
ウィングマンの衝撃が大きかったことから、
このような記事にさせて頂きました。
しかし、皆さんとこの時代について、
酒でも酌み交わしながら語り明かしたいところですなw。
mk2SRは85年1月発売だからウイングマンより後ですよね。
FM音源は採用していてグラフィックはラインペイントのみ
というのはちょっと時代にそぐわない気がします。
ゲーム内で時間が経つとグラフィックや音声の技術レベルが
どんどん変わっていったりすると面白いのですが。
>mmさん
コメントありがとうございます。
> mk2SRは85年1月発売だからウイングマンより後ですよね。
> FM音源は採用していてグラフィックはラインペイントのみ
> というのはちょっと時代にそぐわない気がします。
鋭いですねー。
私も違和感は感じましたが、
世界線が少しだけズレているのだと
とりあえず思い込もうと思いますw。
> ゲーム内で時間が経つとグラフィックや音声の技術レベルが
> どんどん変わっていったりすると面白いのですが。
そうそう、それそれ!
そんな感じだったらメチャクチャ楽しそうですよね!
あなたとは旨い酒が飲めそうだw。